雁戸山 1月21-22日
参加者:CL山崎4、SL鈴木3、千田2
[1/21] 0600 セントメリースキー場-0920 笹雁新道合流-1120 1410mピーク(ニセ雁戸)-1350 雪洞泊
[1/22] 0400 起床-0615 出発-0645 北雁戸山-0750 南雁戸山-0910 1410ピーク-1130 セントメリースキー場
刈田や屏風といった雄大な山体のイメージが強い蔵王において、鋭峰・雁戸山は異彩を放って、連峰の北端に君臨している。昨年1月には坂元沢から登ったが、稜線の藪に阻まれてタイムアップとなった。そこで今回はリベンジとして、笹雁新道の北に平行する顕著な尾根から登ることにした。ルートを変えたのは、前回がラインとしての美しさに欠けていたのに加え、有耶無耶関跡周辺の鉄塔が興冷めであったためである(ただ、北雁戸北稜の蟻の門渡りは興味深い)。
1日目 天候:風雪
麓から雪が降り続けていた。ラッセルは膝から腰ほどだが、メンバーの足並みは揃っていたので、ぐんぐん高度を稼いだ。標高を上げるにつれて北風が強くなっていき、1350mあたりからは何度も耐風姿勢になった。途中で山崎のワカンの紐がハイマツに引っ掛けた拍子に切れて、応急処置を施した。ニセ雁戸についたときには、風速25m/s以上と思われ、地吹雪が凄かった。風下の南東斜面に雪洞を掘ったが、積雪深2mほどだったので、途中でハイマツが出てきてしまった。雪洞は2時間半ほどで完成した。入口に雪が吹き溜まるような構造だったので、夜間の天候が少し気になった。
北雁戸から南雁戸を望む
2日目 天候:晴れのち曇り
朝までに20-30cmほど積もった。雪洞の天井は30cmほど沈降していたので、これを削って朝食用の水とした。朝のうちは良く晴れており、風は穏やかに吹いていた。北雁戸は急な斜面を登り詰めて頂上へ至るが、快適な登行だった。そこから南雁戸への稜線は、ハイマツに手間取った。南雁戸直下は急峻な雪壁となっており、滑落の恐れがあったのでピッケルを出した。下りでは一応ロープを用意したが、フリーでも問題ないと判断し、結局使わなかった。2日目は天候に恵まれ、比較的スピーティに行動できたおかげで、予定より2時間ほど早く下山した。
今回は、積雪が豊富で3人のパーティだったので、おそらく直近の2年間ではラッセルの密度が一番高かったと思う。実に、思う存分ラッセルできた。また、計画的・戦略的に雪洞泊を取り入れた山行は今回が久々で、その経験も収穫であった。何より、昨年のリベンジを果たして厳冬の雁戸を踏めたことは、ひとつ進展といえるだろう。(山崎記)