参加者:CL松坂(3)、SL室田(3)、星川(3)、杉森(3)、亀岡(2)、木下(2)、須田(2)、山村(2)、内山(1)、遠藤(1)、種谷(1)、福田(1)
12/25
1830 集合
1900 発
2230 岳駐車場、到着
2300 就寝
12/26
0500 起床
0645 発
1045 片平、一旦解散
12/27
天候:雪
0630 再集合
1210 岳駐車場、入山
1440 鶏頭山避難小屋、幕営
12月はイベントの多い月である。世間はクリスマス一色に染まり、25日を過ぎれば年末のあわただしい雰囲気が漂う。そんな楽しい時期に私たちは早池峰冬合宿を計画した。24日の夜には装備チェックと買い出し、部会が夜遅くまで行われ、25日には年内最後の授業後に片平に集合、早池峰へと向かった。車内でクリスマスソングを流し何とかクリスマス気分を味わおうとする。なんで聖夜にこんなことしてるんだろう…という気持ちは音楽とゆかいな車メンバーによってちょっと薄らいだ。
翌朝、いよいよ入山というときになって致命的な忘れ物が発覚した。仙台に取りに帰るか、盛岡で購入するか話し合い、結局一度戻ることにした。私は仙台には帰りたくなかったのでちょっと駄々をこねてしまった(すみませんでした)。仙台への車中みんなでモンパチの曲を合唱してかなり慰められた。帰仙後はIKEAで遊んで自宅でやけ食いしてやった。
27日、片平に再集合し再出発。はじめは暗い曲ばかりを流してのドライブだったが、途中から種谷と遠藤に新町という強烈な曲を聞かされたのでやっぱり楽しいドライブになった。事故による通行止め等で入山が遅れたが、今度こそ忘れ物もなく無事入山した。この日は二つ玉が来ており、稜線上は荒れるだろうという判断で避難小屋までの短い行程である。雪の中を脛程度のラッセルをしながら進むと2ピッチ少しで避難小屋に到着した。我が部は幕営至上主義なので小屋前で幕営。この時あまりにもおなかが痛すぎて仕事ができず、トイレをめぐって同期と争奪戦を繰り広げていて、テントに入ったころには気分が落ち込んでいた。しかし、テント内で福田が「これからいいことありますよ」と慰めてくれたので回復した。この三日間は一年生のおかげで落ち込みすぎることがなかったのでありがたかった。明日以降の晴天に思いをはせ就寝する。
12/28
天候:曇り時々雪
0400 起床
0600 発
0745 ニセ鶏頭山
0915 鶏頭山
1340 1460m付近、幕営
はじめはワカンで歩いていたものの、ニセ鶏頭付近で岩が露出しておりアイゼンに履き替えた。この後もアイゼンの使用を予想したが、ニセ鶏頭を通過後、踏み抜き地獄の樹林帯が待ち構えていた。踏み抜きといっても、膝くらいの深さではない。大腿部まで沈み、酷いところだと腰まで埋まるという状態だった。樹林を避けながら、数メートル先が見えるのに、全然進まないから、そこまでたどり着くのに何分と費やす。ラッセルを5分?だったか、短時間で回し、先頭になった部員は頭を無にして前に進むだけの機械と化した。計画通りには進まず、1460m付近で幕営した。
しかし、ここで事件はおこった。ポールが割れていることに気づかず、いざ建てようとして、そこからテントの布が10センチほど破けてしまったのだ。こんなところでビバーク訓練したくない!その一心でどう修理するか話し合った。隣のテントの人が私たちを見て可哀想と言いながら、あったかいテントの中へ消えていったことを忘るべからず。もし修繕が叶わなかったとしても、我々も向こうの6テンに入って10テンにしてやる!と思いながら、黙々と亀岡とテントを縫い続けた。福田に割れたポールの方をガムテープでぐるぐる巻きにしてもらい、それぞれの努力と絶対にテントで寝たいというみんなの思いのおかげで、一時的な修理が無事成功した。泊まりの時、特に縦走のときは、幕営装備に不備がないか念入りに確認したい。
その日の夜は、1〜3年生をそれぞれ家族に見立てて、誰が母親だ、おじいちゃんだ、次男だという話で盛り上がった。部員の性格を独断と偏見で考慮して、誰が何っぽいかの話し合いを続けた。各学年、3家族出来上がったが、どこも訳ありな上、結局3家族が複雑に繋がり合いドロドロの家庭環境が出来上がってしまった。藪漕ぎ中に発見した捨て子や、腹違いの兄弟、雇われ弁護士など愉快な登場人物になり、満足だ。この遊びはとても面白かったため、また掘り返して、話の種にしたい。
12/29
天候:曇りのち晴れ
0400 起床
0610 発
1115 中岳、撤退決定
1320 1460m付近、幕営
一昨日のトレースが残っており、前日と違ってサクサクと駒を進められた。天気も良く、前日の秒速五センチメートルという響きだけロマンチックで絶望的なスピードと比べたら、快適この上なかった。ニセ鶏頭を過ぎたあたりから、登山客とぞくぞくとすれ違った。我々12人でしっかり踏み固めたトレースを辿ってきた彼らに、何時頃から登りはじめたんですか?みたいな質問をされたが、3日前です、と答えて、少々苦い気持ちがした。こんなに好天で歩きやすい(我々のトレースのおかげ)のに、まさか3日前から入山していたとは思わないだろう。
天気が良かったため、ピークを目前にして引き返すという先輩の判断は適切だった一方で、私は早池峰に登頂したい思いが強く、前進する気持ちが先走ってしまった。頑張ってラッセルして進んだからこそ、引き返すのが悔しかったが、冷静に戻る勇気をもつ必要性を考えさせられた。行けるというバイアスがかかっていることは承知の上だったが、感情が先行してしまいそうになった。来年度、自分が後輩を連れて行く立場になったときはくれぐれも慎重に判断するよう気が引き締まる思いがした。
12/30
天候:曇り時々晴れ
0400 起床
0600 発
0740 鶏頭山
0820 ニセ鶏頭山
0950 岳駐車場、下山
朝トイレに行くと満天の星空と花巻の夜景を同時に見ることができた。前日はひどい踏み抜きとラッセルに苦しめられたが、今日は早池峰まで行けるかなと希望的観測をしつつ出発。しかしいざ歩き始めるとやはり踏み抜きもラッセルもものすごかった。今までで一番大変なラッセルだった。血気盛んな大学生が9人で回して秒速5センチメートルである。今年は寡雪だが、直前に降雪があったため新雪がまあまああるが藪もしっかりあり、あまりよくないコンディションだったのかもしれない。でも、去年はあんなにつらかったラッセルが、今年はみんなでがんば!と声を掛け合いながら回せて、青春っぽくて本当に楽しかった。ラッセルが楽しくなる日が来るとは思わなかったので嬉しい限りだ。
しばらくすると森林限界を迎え、中岳付近の岩場が現れる。わかんを履いたままでも歩ける程度の岩場だった。この辺りでは気温が低いせいかテムレスを使っていて指の感覚がなくなるメンバーがちらほらいた。ラッセルで汗をかき中が濡れることで凍ってしまうそうなので、テムレスを使う際は下にゴム手袋をするといいらしい。その後中岳の標識を見つけてからしばらく進んだが、一考に早池峰に近づけない。休憩時、引き返すならここかなと同期と話していたら三年生から撤退の指示が出た。早池峰は想像よりずっと遠かった。そこで記念撮影をしたが、後で写真を確認したら三年生が同期だけで肩を組んで仲良さげに写っていた。せっかくならみんなで肩を組みたかったが、素敵な写真だと思う。
帰りはトレースがあるのでサクッと幕営地まで戻り、積雪層観察を行った。白馬さんの解説が詳しく、とても勉強になった。テントに戻ってからは、みんなでくだらない話をして盛り上がり、明日の温泉を楽しみに就寝した。
集合写真 肩を組む三年生とその他の皆さん
Σχόλια